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こんなに簡単!魅力的で説得力のある文章術(1)

こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。

アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。

ひらめき先輩
「今回からレトリックの種類について一つずつ取り上げて
学んでいきたいと思います。まずは、直喩(ちょくゆ)。
明喩(めいゆ)とも言いますが、聞いたことありますか?」

アイちゃん
「直喩というのは聞いたことがあります」

デアくん
「明喩は初めてかも・・」

ひらめき先輩
「これは比喩の一種ですね。ある物事を別の物事に
喩えて表現する手法のことです。例えば、「○○○は
○○のようだ」というように、類似点を明示するのが
直喩の特徴です」

アイちゃん
「ああ、なるほど。比喩のひとつですね」

デアくん
「何々のようだ、というのはよく使う表現ですよね」

ひらめき先輩
「そうです。非常に馴染みのあるレトリックですね。
直喩と並んでよく使われるものに隠喩があります。
あとで採り上げますが、隠喩を使うと直接的な表現に
なるのに対して、直喩を使うとソフトな伝え方ができます。
ただし、表現がありきたりだと、弱い印象になるので
気をつけましょう」

アイちゃん
「はーい、気をつけます」

デアくん
「了解!」

ひらめき先輩
「で、よくある間違える例として、こんなものがあります。
以下の例文を見てください」

A 彼は、勝海舟のように意志が固い。
B 彼は、ダイヤモンドのように意志が固い。

ひらめき先輩
「Bは『直喩』ですが、Aは『単なる比較』であり、
直喩ではないので要注意です」

アイちゃん
「そうなんだ。両方とも直喩じゃないんだ」

デアくん
「そうか。Aの例文は比喩になっていないんだ」

ひらめき先輩
「そうなんです。この辺が間違いやすいところです。
Bはちゃんと意志の固さをダイヤモンドに例えていますね」

アイちゃん
「なるほど」

デアくん
「指摘されると分かるけど、普通に読んだり書いたり
していると気がつかないな」

ひらめき先輩
「この辺は、こういうこともあるという程度の理解で
いいと思います。では、実際の例文を見ながら学んで
いきましょう」

アイちゃん・デアくん
「はーい」

ひらめき先輩
「例えば、『とても激しい雨だ』と書くところを、
『バケツをひっくり返したかのような雨だ』と書くことも
できます。これが直喩です」

アイちゃん
「なるほど。そのほうが強さが伝わってきますね」

デアくん
「分かりやすい例だな」

ひらめき先輩
「では、次の例文です。『きょうは背中に翼が生えたように
身体が軽い』。これは、『きょうは身体が軽く感じる』という
内容を直喩で表現したものです」

アイちゃん
「背中に翼が生えたように、か・・」

デアくん
「うーん、文学的!」

ひらめき先輩
「じゃ、ここで問題。『純粋で無垢な笑顔』という文を
直喩に直すと、どうなりますか?」

アイちゃん
「純粋で無垢な笑顔? そうね、何だろう?」

デアくん
「アイちゃんのような笑顔!」

ひらめき先輩
「ハハハ、口説いてるの? そういうのもありだと
思うけど、『天使のような微笑み』はどう?」

アイちゃん
「天使のような微笑み、か。それ、いただきまーす!」

ひらめき先輩
「じゃ、最後はこれ。『まるで真夏の暑さだ』。これは、
『この季節とは思えない暑さだ』というような内容を
直喩で表現すると、こうなりますね」

アイちゃん
「直喩はよく使う表現だから分かりやすいですね」

デアくん
「メモしとこぉっと。『○○○は○○のようだ』。
直喩は類似点を明示してイメージしやすくする手法。
これで、よしっと」

ひらめき先輩
「はい、きょうはここまで。
次回は『隠喩』です。お楽しみに」


参考文献:日本語のレトリック―文章表現の技法 (岩波ジュニア新書)

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