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こんなに簡単!魅力的で説得力のある文章術(5)

こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。

アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。

ひらめき先輩
「今回は共感覚法でしたね」

アイちゃん
「そうですが、あまり聞いたことのないレトリックですね」

デアくん
「そうそう。ぜんぜん知らない」

ひらめき先輩
「いいんですよ、知らなくて。きょう覚えればいいんです
から。大事なのは知識ではなく、使えるかどうかです」

アイちゃん
「アイデア発想法と同じですね」

デアくん
「発想法に詳しくても、アイデアを出せなければ、結局、
意味がない、ということですよね」

ひらめき先輩
「ゴルフで難しい理論ばかり知っているより、ひとつの
基本をしっかり学んで、実際にいいスコアを出せるほうが
いい、ということです。あれ、いつのまにか、ちょっと
話がずれちゃったね」

アイちゃん
「すみません。私が別のことを言い出したばかりに」

デアくん
「共感覚法、やりますか」

ひらめき先輩
「やりましょう。共感覚法とは、触覚、味覚、 嗅覚、
視覚、聴覚の五感の間で、ある感覚を別の感覚を借りて
表現する手法のことです。つまり、五感の間で表現を
やりとりするものです。例えば、『なめらかな味』は、
なめらかという“触覚”の表現を使って“味覚”を
表したものです」

アイちゃん
「なるほど。よく分かります」

デアくん
「ひらめき先輩、解説がうまいですね」

ひらめき先輩
「ありがとーっ! でも、何も出ませんよ。出るのは、
ダジャレぐらい」

アイちゃん
「最近、ダジャレも出てないですよ」

デアくん
「ほんとだ。具合でも悪いんですか?」

ひらめき先輩
「そうじゃないんだけどね。レトリックの話だと、
つい、真面目になっちゃって、ハハハ」

アイちゃん
「先輩らしくないですよ」

デアくん
「あまり言わないから、何かトリックでもあるのかと(笑)」

ひらめき先輩
「いや、まいったな。最近は、みんなのほうがダジャレが
出るようになったんじゃない?」

デアくん
「ひらめき先輩の影響ですよ」

ひらめき先輩
「じゃ、続けるね。えーと、例としては、こういうのは
どうかな。『その俳優は甘いマスクで大衆の心をつかんだ』」

アイちゃん
「『甘いマスク』という部分が、共感覚法なんですね」

デアくん
「甘いマスクか。顔について味覚で表現したわけだ。
舐めてみたのかな?」

アイちゃん
「何、言ってんの!」

ひらめき先輩
「マスクメロンのような甘さ、なんちゃって」

アイちゃん
「あっ、先輩。久々ですね」

デアくん
「ほんと。やっと出たって感じ」

ひらめき先輩
「そこだけ聞いていると、○○○みたいだね」

アイちゃん
「ふーん。なんちゃって、ハハハ」

デアくん
「ああ、踏まなくてよかった。なんて、ハハハ」

ひらめき先輩
「デアくんも古いなぁ、ハハハ・・・」

全員
「アッハハハハハハハハ・・・・」

アイちゃん
「ハハハは・・・きょう、みんな変!」

デアくん
「じゃ、やりましょうか。アッハハハ・・・・」

ひらめき先輩
「じゃ、続けます。えーと、こういうのはどう?
『そのチョコレートはなめらかな味だ』」

アイちゃん
「どこが? あっ、そうか。『なめらかな味』が
共感覚法ね」

デアくん
「当たり前になりすぎて気がつかないな」

アイちゃん
「味覚の表現の代わりに、なめらかという触覚の表現を
使っているということですよね」

ひらめき先輩
「そういうことですね。はい、きょうはここまで。
次回は、くびき法です。いびき法じゃないので、
お間違いなく。では、お楽しみに」


参考文献:日本語のレトリック―文章表現の技法 (岩波ジュニア新書)

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