HOMEHowto

こんなに簡単!魅力的で説得力のある文章術(13)

こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。

アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。

ひらめき先輩
「きょうはレトリックのひとつ、撞着法(どうちゃくほう)を
学びます。これも聞き慣れない名前ですが、反意語など
互いに矛盾している言葉を組み合わせて、複雑な内容を
簡潔に表現する手法のことです」

アイちゃん
「これも説明は難解でも、例文を見ればすぐ分かるという
ものですか?」

デアくん
「いつものパターンですね」

ひらめき先輩
「ハハハ、そんなに解説が分かりづらいですか。
この手法は、一見、つじつまが合わず、単なる間違いに
見えますが、複雑な内容を簡潔に表現する場合に使われます。
例文、行きますか?」

アイちゃん
「はい、行っちゃってください」

デアくん
「どんどん行っちゃってください」

ひらめき先輩
「はいはい、分かりました。ここにずらーっと書きますね。

・急がば回れ
・負けるが勝ち
・損して得とれ
・うれしい悲鳴
・ゆっくり急げ
・遠くて近い
・無知の知
・沈黙の音
・公然の秘密

・小さな巨人


どうです、分かりやすいでしょ?」

アイちゃん
「ほんと、分かりやすーい!」

デアくん
「じゃ、『ただより高いものはない』もそうですか?」

ひらめき先輩
「そうですよ」

アイちゃん
「じゃ、『有難迷惑』なんかもそうですか?」

ひらめき先輩
「それも撞着法です」

デアくん
「じゃ、『優しい悪魔』は?」

ひらめき先輩
「あっ、いいですね。撞着法は、受け手に違和感を与える
ことで内容に対する興味を引いたり、あえて矛盾した語を
使うことにより皮肉の意味合いを込めたりする場合もある
ようです」

アイちゃん
「なるほどね。これは使いやすい手法ですね」

デアくん
「うん、ふだんよく使ってるような気がする」

ひらめき先輩
「表現の工夫で人を惹きつけて説得する言葉の技術が、
レトリックです。プライベートな場面だけでなく、
ビジネスにおいても活用できるスキルです。
レトリックの基本を身につければ、魅力的で説得力の
ある表現が自在にできるようになりますよ。
はい、今回の雑談はここまで。次回はパロディです。
お楽しみに」


参考文献:日本語のレトリック―文章表現の技法 (岩波ジュニア新書)

このページのトップへ
ブログパーツ inserted by FC2 system