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こんなに簡単!魅力的で説得力のある文章術(15)

こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。

アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。

ひらめき先輩
「きょうは対照法を学びますが、名前を聞いたことが
なくても大丈夫ですよ。そのくらい簡単な手法ですから」

アイちゃん
「対照法と言うと、意味の違う言葉を並べる方法ですか?」

デアくん
「それとも、偉そうに言う方法ですか?」

アイちゃん
「その大将って、親分っていう意味?」

デアくん
「気にしないでください。冗談です、ほんの冗談・・」

ひらめき先輩
「ハハハ、デアくんもふつうに冗談を言うようになったね。
対照法とは、アイちゃんが言ったように、二つの相反した
事物を並べて、コントラストを際立たせる手法のことです」

アイちゃん
「ほらね、当ったりーっ!」

デアくん
「それこそ、大将法だ!」

ひらめき先輩
「デアくん、うまいなぁ。タイミングをつかむのもうまく
なったぞ」

アイちゃん
「ひらめき先輩、あまり褒めないでください。
図に乗りますから」

ひらめき先輩
「はいはい、分かりました。では、やりましょうか。
例文を挙げますね。例えば、『二人の実力は、まったく違う』
というベースの文があるとします。それを対象法で言うと、
『二人の実力は、月とスッポンほど違う』となります」

デアくん
「なるほど。月が僕で、スッポンがアイちゃん、なんてね」

アイちゃん
「ったく、デアくんったら・・・」

ひらめき先輩
「もうひとつ、例を挙げますね。『彼女と俺は、不釣合いだ』
と言うところを、『彼女と俺は、提灯に釣鐘だ』とも言えます」

デアくん
「でも、アイちゃんなら、僕は我慢してもいいけど・・」

アイちゃん
「きょうのデアくん、なんかおっかしい? 変なもの食べた?
言っておきますけどね、デアくんと私は、月とスッポン、
提灯に釣鐘よ!」

ひらめき先輩
「ハハハ、アイちゃん、さっそく使ってるね。ケンカするほど、
仲がいいか。ま、それはともかく、相反する事物を対照させる
ので、お互いを際立たせ印象を深める表現となるんだけど、
あれ、これって、アイちゃんとデアくんのことじゃない?」

アイちゃん
「っもう、やめてください、ひらめき先輩!」

デアくん
「あっ、そうだよね。いいこと言うなぁ、ひらめき先輩!」

ひらめき先輩
「まずかったかな。でね、こうすることで、リズミカルな
表現になるので記憶するのにも役立つんですよ」

アイちゃん
「あっ、できた! こんな例文はどうですか? 
『あの先生は男子には優しく、女子には厳しい』」

デアくん
「うまい! っていうか、それ、皮肉?」

ひらめき先輩
「くわばら、くわばら。はい、きょうはここまで。
次回は、修辞疑問法です。お楽しみに」


参考文献:日本語のレトリック―文章表現の技法 (岩波ジュニア新書)

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