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こんなに簡単!魅力的で説得力のある文章術(18)

こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。

アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。

ひらめき先輩
「きょうは倒置法というレトリックを学びます。
これは馴染みのある手法ですね」

アイちゃん
「そうですね。ふだんよく使っているかも」

デアくん
「うんうん、きっと使っている」

ひらめき先輩
「一応、解説しておきますね。倒置法とは、主語や修飾語を
強調するために、述語に対する主語や修飾語などの順序を
逆にして表現する手法のことです。日本語では語順が比較的
自由なので、動詞を最後以外に持ってくることを倒置という
ことが多いようです」

アイちゃん
「そうなんだ。動詞以外はなんでも最後に持っていけるのね」

デアくん
「あまりそういうことと、考えたことないな」

ひらめき先輩
「ま、分かっていると思うけど、例を挙げますね。
『その日、彼はここにいた』という文があるとして、
『彼』を強調したいときは、『その日、ここにいたのは、
彼だ』という言い方ができますね。また、『その日』を
強調したい場合は、『彼がここにいなかったのは、
その日だ』と言い換えられます」

アイちゃん
「1つの文でも、いろいろ言い換えられるんですね」

デアくん
「じゃ、『その日、彼がいたのはここだ』というのも
ありですか?」

ひらめき先輩
「ありですよ。もっと分かりやすい例を挙げると、
『その日、彼が言いたかったのはそのことだ』とかね。
じゃ、『ついに完成した、東京スカイツリーが』という
のもあるね」

アイちゃん
「なるほど」

デアくん
「確かによく使ってるよね」

ひらめき先輩
「『やりますね、意外と』というのもあります」

アイちゃん
「よく使いますよ、そういう表現」

デアくん
「あっ、それ、倒置法だ」

アイちゃん
「本当だ。気がつかないで使ってる」

デアくん
「それくらいよく使う表現ってことだね」

ひらめき先輩
「『好きだな、あんな感じの女性』」

アイちゃん
「いや、そんな・・・」

デアくん
「アイちゃん、どうしたの? 急に・・」

ひらめき先輩
「いや、そういう意味で言ったわけじゃないんですけど。
単なる例文なんだけど・・」

アイちゃん
「えっ、例文? そうですよね、ハハハ・・」

デアくん
「アイちゃん、愛に飢えてんのかな?」

ひらめき先輩
「そうかもね・・」

アイちゃん
「二人で、何をこそこそ話してるの?」

ひらめき先輩
「いやいや、その、やっぱり、アイちゃんのような女性って、
素敵だなって・・・」

デアくん
「僕は前からそう思ってたんだけどね」

アイちゃん
「本当に? なんか変だな、二人とも」

ひらめき先輩
「じゃ、きょうは、この辺にしておきましょうか。
次回は、体言止めです。お楽しみに」


参考文献:日本語のレトリック―文章表現の技法 (岩波ジュニア新書)

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