「キャッチコピー3分ライティング」のお時間です。
こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。
アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。
ひらめき先輩
「1カ月ほど間が空いてしまいましたが、みんな元気でしたか?」
アイちゃん
「はーい。先輩、どこか行ってたんですか?」
デアくん
「ちょっと心配しちゃった」
ひらめき先輩
「心配してくれてありがとう。ちょっと野暮用ができて・・・。
じゃ、さっそく始めましょうか。きょうはキャッチコピーのつくり方を
伝授します」
アイちゃん
「いいですね。わたし、キャッチコピーを書くのが苦手なんです」
デアくん
「うん。キャッチコピーって、簡単そうで難しいよね」
ひらめき先輩
「きょうはですね、正当なライティング作法じゃなく、それなりの
キャッチコピーが簡単につくれるちょっとずるい方法をお教えします。
裏ワザ的な方法ですから、ここだけの話にしておいてくださいね」
アイちゃん
「へぇ。裏ワザがあるんですか」
デアくん
「待ってました! そういうのが知りたーい」
ひらめき先輩
「声が大きいですよ。じゃ、例を出しますね。例えば、北海道の流氷を
見にいく旅行の企画があったとします」
アイちゃん
「『北海道流氷観光』っていう感じですかね」
デアくん
「そのキャッチコピーをつくるんですか?」
ひらめき先輩
「そうです。3分ぐらいでね」
アイちゃん
「3分で?」
デアくん
「なんか、キューピー3分クッキングみたいですね」
ひらめき先輩
「そう。『キャッチコピー3分ライティング』なんちゃって(笑)。
そうだ、これをきょうの記事のタイトルにしようっと」
アイちゃん
「いいですね。テーマの意図がよく伝わります」
デアくん
「やるなぁ。3分もかからなかったですね」
ひらめき先輩
「考えるのも大事なことだけど、このように話の流れで出てくる
ヒラメキはもっと大事ですよ。逃すと、二度とやってこないですからね」
アイちゃん
「ほんと、そうですよね。自分で考えておなじものが出てくるとは
限らないですからね。いや、出ないでしょうね」
デアくん
「自分一人で考えているよりも、ほかの人と話しているときのほうが、
予想外のアイデアが出てくることはありますね」
ひらめき先輩
「ヒラメキ談義はまたの機会に譲るとして、話を戻しますね。
『北海道流氷観光』のキャッチコピーでしたね。えーと、そうだなぁ、
こんなのはどうかな?」
アイちゃん
「えっ、もうできたんですか?」
デアくん
「まっさかぁ!」
ひらめき先輩
「完成度は別として、ね。例えば、『流氷の冬、北海道の冬』」
アイちゃん
「本当だ。キャッチコピーになってる」
デアくん
「どうやったんですか。きのうの夜から考えていたんですか?」
ひらめき先輩
「そう、きのうの夜からずっと。違うって。その秘密は、コピーなんですよ」
アイちゃん
「コピー?」
デアくん
「どういうことですか?」
ひらめき先輩
「コピーと言っても、模倣のほうのコピーです。モノマネですね。
でも、コピーの場合、同じことは書けないですから、形だけをまねる
ということです。分かりやすく言えば、ベースとなるほかのコピーを
基にして伝えたい内容で書き換えてみるんです」
アイちゃん
「ベースとなるほかのコピー?」
ひらめき先輩
「このキャッチの場合は、『キンチョーの夏、日本の夏』がベースです。
大事なことは、ベースにする表現スタイルの構造を捉えることです。
この場合は、『○○○○の△△、□□□□の△△。』です」
アイちゃん
「なるほど」
デアくん
「そこにキーとなる言葉を入れていくわけか」
ひらめき先輩
「そうです。一度つくって終わりというより、さらに、そこから発想を
ひろげていくことが大事です。最初につくった『流氷の冬、北海道の冬』が
できたら、『北海道の冬、流氷の旅』とか、『流氷が待っている、北海道の冬』
とか、『感動の旅、流氷の北海道』とか、言葉を入れ替えたりしてどんどん
つくっていきましょう」
アイちゃん
「そうか。ひとつのキャッチができれば、だんだん発想が湧いてくるわね」
デアくん
「そうそう、最初の一本が出ないんだよね。でも、こうすれば、とりあえずは
何かしらつくれるのがいいね」
ひらめき先輩
「表現スタイルの構造を見つけるコツは、表現の要素を分解することです」
アイちゃん
「今度、実際の仕事でやってみようっと!」
デアくん
「うん、これは使えそうだ」
ひらめき先輩
「ということで、きょうはこれで終わりにします。
このキャッチコピーのつくり方をまたやってみましょうか」
アイちゃん
「やりましょう、やりましょう!」
デアくん
「ぜひ、お願いしまーす!」