「キャッチコピー3分ライティング」の第2回目です。
こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。
アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。
ひらめき先輩
「きょうは、『キャッチコピー3分ライティング』の続きをしようと
思います。キャッチコピーをつくる手順をまとめてみましたので、
これを見てください。(一枚の紙を渡す)」
アイちゃん
「(紙を見ながら)これがあると、助かります」
デアくん
「なるほど。3段階でできちゃうんですね」
ひらめき先輩
「えーと、まず、ステップ1として訴求ポイントを決める。
ステップ2はベースにする表現スタイルを用意する。そして、
ステップ3は訴求ポイントを表現スタイルに当てはめる。
たったこれだけの手順で簡単につくれます」
アイちゃん
「きょうは、どんなテーマにするんですか?」
デアくん
「うんうん、それが気になる」
ひらめき先輩
「きょうは少し柔らかいもので行きましょうか」
アイちゃん
「柔らかいもの?」
デアくん
「綿菓子とか、ふとんとか?」
ひらめき先輩
「いやいや、そういう柔らかさじゃなくて。そうですね、きょうは
お酒にしましょうか。カクテルはどうかな?」
アイちゃん
「いいですね。カクテルと言えば・・」
デアくん
「マティニーはどう?」
ひらめき先輩
「いいですね。ドライマティニーでいきましょう。じゃ、訴求ポイントは
『ドライマティニー』に決まりました。次は、ベースにする表現スタイル
ですね。何にしましょうか?」
アイちゃん
「何がいいんだろう?」
デアくん
「うーん、そう言われても・・」
ひらめき先輩
「じゃ、僕のほうで適当に決めますね。そうだな、ちょっと古いけど、
『男は黙ってサッポロビール』でやってみましょう」
アイちゃん
「えー、すっごく古いキャッチコピーですね」
デアくん
「それを知ってるアイちゃんも古ーい!」
ひらめき先輩
「で、表現スタイルの構造は、『○○○は□□□□△△△△』ですね。
今回の訴求ポイントはドライマティニーなので、『サッポロビール』の
部分はドライマティニーとなります。では、『男』の代わりに何がいいか、
『黙って』の代わりに何がいいか。どう表現したらドラマチックになるか、
自由にイメージをふくらめて考えるのがコツです」
アイちゃん
「そうか、構造を分析するんでしたね」
デアくん
「そうしないと、言葉の入れ替えができないからね」
ひらめき先輩
「きょうは2回めだから、僕が例を挙げながら解説していきますね。
例えば、『○○○』の部分を『女』にしてみます。そして、『△△△△』
の部分は『ドライマティニー』なので、『女は・・・ドライマティニー』
までは決まりました。そこで、『□□□□』の部分をどうするかを
考えます。ここが決め手になる部分ですね。アイちゃんなら、
どんな言葉を入れますか?」
アイちゃん
「えっ、わたし? 急に振らないでくださいよ。えーと、ベースは
『男は黙ってサッポロビール』だったから、えーと、そうだ、今度は逆に
『女はおしゃべりしながらドライマティニー』ってのはどうですか?」
デアくん
「それって、ドライマティニーというより、スーパードライかな」
ひらめき先輩
「うん、確かに。リアルだけど、ドライマティニーにマッチしてないかな。
デアくんなら、どんな言葉を入れる?」
デアくん
「うーん、僕なら、えーと、女は・・、女は・・、女は・・・」
アイちゃん
「女は、女はって、くどいわね。ちょっと考えすぎーっ!」
デアくん
「じゃ、『女は仕事帰りにドライマティニー』ってのは、どう?」
アイちゃん
「別に、仕事帰りだったら、ビールでもいいじゃん!」
デアくん
「じゃ、『女はビールのあとにドライマティニー』ってのは?」
ひらめき先輩
「まあまあ、二人ともちょっと落ち着いて! トレーニングだから
楽しくやろうよ。最初はなかなかしっくりした言葉が見つからないと
思うけど、そこから時間をかけて練ってばいいんです。あくまでも、
これがとっかかりとなって最後に良いものが生まれればいいんですから」
アイちゃん
「そうでしたね。最初からは無理ですよね」
デアくん
「無理、無理」
アイちゃん
「ひらめき先輩だったら、どんな言葉を入れます?」
ひらめき先輩
「そうですね。例えば、『女は涙の代わりにドライマティニー』、
なんちゃって」
アイちゃん
「うわーっ、ステキ!」
デアくん
「ドラマチック!」
ひらめき先輩
「きょうは褒め上手の二人にドライマティニーをおごっちゃおうかな。
飲みにいくぞーっ! ということで、この辺で失礼しまーす」