主語を上手に省略すると、リズムが生まれる。
こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。
アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談を
しています。
ひらめき先輩
「きょうは、主語の扱いについて学びたいと思います。
日本語の場合、とくに日常会話では主語を省略する
ことが多いですが、文章では主語を省略すると
分かりにくくなったりする場合もあります。その辺
を例文とともに学んでいきましょう」
アイちゃん・デアくん
「はーい!」
ひらめき先輩
「とりあえず、例文を書いてみますね」
(先輩、ミニ版のホワイトボードに書く)
プレゼンの日、アイちゃんは寝坊をして遅れてやってきた。
アイちゃんは会議室の席に座り、大きなあくびをひとつした。
アイちゃんの態度からは反省の色は見えなかった。
アイちゃん
「ええ、それが例文ですか?」
デアくん
「なるほど、ふむふむ。分かりやすい!」
ひらめき先輩
「あくまでも例文だから・・・。内容は気にしないでね」
アイちゃん
「そう言われても・・・」
ひらめき先輩
「いいから、いいから。例文では、“アイちゃんは”
“アイちゃんは” “アイちゃんの”というように、
同じような主語が3つ続いていますね。デアくん、
どう思う?」
デアくん
「ちょっと、くどいと思います」
ひらめき先輩
「そうですね。この場合、こんなふうに省略できますね」
(先輩、ミニ版のホワイトボードに書く)
プレゼンの日、アイちゃんは寝坊をして遅れてやってきた。
会議室の席に座り、大きなあくびをひとつする。
その態度からは反省の色は見えなかった。
デアくん
「なるほど、なるほど。あれ? 二番目の文の最後、
変わってますね?」
アイちゃん
「デアくん、きょうは妙に熱心じゃない」
ひらめき先輩
「よく気がついたね。これは主語の話ではないんだけど、
どの文の終わりも“〜た”なので、単調さを避けるために
現在形の“あくびをする”に変えたんです」
ひらめき先輩
「アイちゃんも分かった?」
アイちゃん
「はい。でも、なんかしっくりこない・・・」
ひらめき先輩
「このように、主語を省略することで文章がすっきりするんです。
それに、文章にリズムも生まれてきますね」
デアくん
「なるほど、なるほど。きょうはなんか、すごくいい気分」
アイちゃん
「すごく悪い気分・・・」
ひらめき先輩
「はい、きょうの雑談はここまで。
読者の皆さんも、最後までお読みいただき感謝します」