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【誕生秘話】亀のように長生きのロングセラー商品。

こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。

アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。

ひらめき先輩
「きょうは母想いの少年の願いがアイデアを生み、
それが大成功となった商品の話です」

アイちゃん
「母想いの少年・・。
なんだか、感動的な話になりそうですね」

デアくん
「母重い、じゃなくて、母想い、ですね?」

アイちゃん
「また始まった・・」

ひらめき先輩
「明治の中頃、東京文京区小石川に
西尾正左衛門という甘えん坊の子供がいました。
その子供は、いつも忙しく働く母の姿を見ていたので、
大きくなったらお金持ちになって、
母を楽にさせてあげたいと思っていたんですね」

アイちゃん
「もう涙が出てきそう・・」

ひらめき先輩
「大人なった正左衛門さんは、毎日のように
何かを発明することばかり考えていました。
そんなとき、働く母の姿を見て、ある商品を
思いついたんです」

デアくん
「なんだろう? マッサージ機かな?」

アイちゃん
「もう、デアくんったら・・。編み機かな?」

ひらめき先輩
「二人とも、ブーッ! 靴拭きマットです。
母がシュロを編んでいるのを見て、
シュロを針金で巻いた靴拭きマットを
思いついたんですね」

アイちゃん・デアくん
「靴拭きマットか・・」

ひらめき先輩
「縄を編んだマットは当事あったそうですが、
シュロの靴拭きマットはブラシのように
泥がよく取れるのでよく売れたそうです。
で、特許を取って大々的に売り出そうとしたら、
英国ですでに似た商品が特許を取っていて、
ダメだったんです。
しかも、そのとき、何回も使っているうちに
毛先がつぶれて効果がなくなると、
欠点を指摘されてしまったんです」

デアくん
「余計なお世話だよね!」

ひらめき先輩
「それが、そうでもないんです。
やがて販売したマットが大量に返品されて
きたんです」

デアくん
「えっ、そうなんですか?」

ひらめき先輩
「それからというもの、
苦しい生活が続いたそうです」

アイちゃん
「かわいそう・・」

ひらめき先輩
「ある日、妻がマット用の棒状のシュロを
折り曲げて掃除をしているのを見て、
正左衛門さんは、またアイデアがひらめいたんです」

デアくん
「あっ、あれかな?」

ひらめき先輩
「そう、あれです。“たわし”です」

アイちゃん
「たわし、か?」

デアくん
「矢切のたわし、なんちゃって」

アイちゃん
「はい、次、行ってみよーぉ!」

ひらめき先輩
「形や大きさ、重さなどは、妻の手を参考にして、
試行錯誤しながら、女性が使いやすいように
決めたそうです」

アイちゃん
「あの形、ずっと変わってないものね」

ひらめき先輩
「亀の子束子っていう名前の決め方も面白いですよ」

デアくん
「興味あるなぁ・・」

ひらめき先輩
「特許を取るために特許庁へ向かったはいいけど、
実用新案として登録するには、商品名が必要で、
それがまだ決まってなかったんですね。
どうしようかと困っているときに、一緒にいた子供が
『お父さん、見て見て。亀が水の中を泳いでいるよ』
と言ったので見てみると、その亀が、たわしに似ていて、
長寿で縁起もいいということで、亀の子束子と
名付けたそうです。
ちなみに、たわしの漢字は当時の漢学者に相談して
束子と当てはめてもらったとか」

アイちゃん
「どんなものでも、誕生秘話って面白いですね」

デアくん
「名前のつけ方もね」

ひらめき先輩
「はい、きょうのお話はここまで。
読者の皆さんも、最後までお読みいただき感謝します」

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