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【誕生秘話】湯豆腐と第五の味覚と日本人。

こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。

アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。

ひらめき先輩
「デアくん。4つの基本の味、知ってる?」

デアくん
「えーと、甘味、酸味、塩味、それに苦味ですよね」

ひらめき先輩
「正解! じゃ、5つ目の味は?」

デアくん
「えっ。5つ目の味?」

アイちゃん
「“うま味”ですよね。ひらめき先輩」

ひらめき先輩
「卓球! いや、ピンポン! なんちゃって。
デアくんのがうつっちゃったかな」

デアくん
「やめてくださいよ、ひらめき先輩。
それじゃ、病気みたいじゃないですか」

ひらめき先輩
「ごめん、ごめん。洒落は大歓迎です。
で、その“うま味”を世界で初めて発見したのは誰か、
知ってますか?」

デアくん
「味の素の人・・・」

ひらめき先輩
「ま、確かにそうなんだけど。
池田菊苗博士という方なんです」

デアくん
「博士なんですか、発明したのは?
味の素の研究所の人かと思った」

アイちゃん
「デアくん、ナイスぼけ!
それとも、マジで言ったの?」

ひらめき先輩
「言うまでもないですが、“うま味”が
発見されるまでは味の素の会社は
存在していませんよ。
池田博士は、帝国大学理科大学化学科で
助教授をしていた明治32年のとき、
ドイツの大学に1年半留学したんです。
この頃から、4つの味とは異なる第五の味が
あると考えていたそうです。余談ですが、
当時、夏目漱石とも親交があったようですね」

デアくん
「へぇ、漱石とも・・?」

ひらめき先輩
「1908年にアミノ酸の1つであるグルタミン酸
を発見し、“うま味”と名付けるのですが、
その発見のきっかけが面白いです」

アイちゃん
「やっぱり、これも、ひらめきの法則に
あてはまるんですか?」

ひらめき先輩
「そうなんですよ。アイデアは、研究所で
生まれるとは限らないってことですね。
“うま味”発見のきっかけとなったのは、
池田博士の奥さんが湯豆腐を作っていたときのこと。
湯豆腐にダシとして昆布を入れているのを見て、
『これだ!』とひらめいたそうなんです」

デアくん
「“うま味”発見のきっかけは、湯豆腐か。
本当に、アイデアって面白いですね」

アイちゃん
「アイデアは、ひねり出すものじゃなく、
ひらめくもの。だから、発想法を学んでおくと
いいんですね」

ひらめき先輩
「その通りです。そこで、池田博士は、
昆布を対象に研究しはじめたんです。
そして1908年、そのおいしさの成分が
アミノ酸の 1つであるグルタミン酸に
よるものであることを発見し、
“うま味”と名付けられました」

アイちゃん
「“うま味”とは、よく名付けたものですね」

デアくん
「日本語ならではのネーミング、じゃないかな」

ひらめき先輩
「こうして1909年に発売されることになる
んですが、当初は『味精』という名前が
つけられていたそうです。しかし、『味精』では
あまりにも味気ないということで、
最終的に『味の素』に決まったそうです」

デアくん
「爆発的に売れたんでしょうね」

ひらめき先輩
「ところが、割高ということと、馴染みがない
ということで、なかなか受け入れられなかった
そうです」

アイちゃん
「えっ、そうだったんですか?」

ひらめき先輩
「最終的には、昆布のうま味に馴染みの深い
関西から受け入れられていったそうですが、
事業が軌道に乗るまでに9年近くかかったとか。
はい、きょうのお話はここまで。
読者の皆さんも、最後までお読みいただき感謝します」

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