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【誕生秘話】エジソンも顔負けのひらめき、乾電池。

こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。

アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。

ひらめき先輩
「アイちゃんに聞きます。乾電池を世界で
最初に発明した人は誰でしょう?」

アイちゃん
「エジソン!」

ひらめき先輩
「ブーッ! 違います」

デアくん
「ボルタ!」

ひらめき先輩
「ブーッ! でも、デアくん、その名前、
よく知ってるね。その人は、湿電池を作った人」

ひらめき先輩
「答えは、屋井先蔵(1864−1927)さんです」

アイちゃん
「えっ、日本人なんですか?」

ひらめき先輩
「そうなんです。
まず、先蔵さんの経歴を簡単にお話しますね。
先蔵さんは、長岡藩士の家に生まれで、
幼くして父を亡くし、13歳のときに東京へ
出ていきました。神田の時計店で丁稚として
働くんですが、病気になり、1年半後には
故郷へ帰ることになってしまったんです」

デアくん
「13歳のときですか? 昔の人は大変だなぁ」

ひらめき先輩
「病気が回復すると、今度は長岡の商家で
時計の修理工として働くようになるんです。
7年の年季奉公のあと、再び、上京して
東京物理学校(現・東京理科大)の実験所の
職工になるんですね」

アイちゃん
「そこで乾電池を発明したんですね」

ひらめき先輩
「アイちゃん、まだ先があるんです。
1885年、先蔵さんが23才のとき、
電池で正確に動く『連続電気時計』の発明に
成功し、1891年に特許として認められました」

デアくん
「そのときの電池は何だったんですか?」

ひらめき先輩
「デアくん、たまにいい質問するねぇ」

デアくん
「たまに、ですか?」

ひらめき先輩
「そのときに使われたのは、液体式の
ダニエル電池でした。大きくて持ち運びに
不便で、手入れが必要なうえに、冬は
凍って使えないんです」

アイちゃん
「そこで、乾電池の開発に取り掛かった
ということですね、ひらめき先輩!」

ひらめき先輩
「そういうことです」

デアくん
「アイちゃん、いいとこ取りするなぁ」

ひらめき先輩
「研究を始めて、3年近くかかって、
ようやく乾電池が完成したのです」

アイちゃん
「3年もかかったんですか」

ひらめき先輩
「そうなんですよ。というのも、どうしても
クリアできない課題があったんです。
でも、やはり、ここでも・・・」

デアくん
「アイデアのひらめきがあったんですね」

アイちゃん
「やっぱり、発明にはひらめきが必須ね!」

デアくん
「クリアすべき課題は何だったんですか?」

ひらめき先輩
「それはね、炭素棒の小さな穴に電解液が
染み込んで、電池を腐食させてしまうという
問題でした」

デアくん
「で、何が起こったんですか?」

アイちゃん
「それから、3年近くが経ちました。で・・?」

ひらめき先輩
「で、ある日のこと・・・」

アイちゃん
「はい、ある日のこと」

ひらめき先輩
「場所は研究所・・・」

デアくん
「はい、場所は研究所」

ひらめき先輩
「こらこら、調子に乗るのはやめなさい。
読んでる人に迷惑でしょ!」

アイちゃん・デアくん
「はーい! で・・・?」

ひらめき先輩
「で、何かの拍子に、床に水をこぼして
しまったそうなんです。床を見ると、
ロウソクのロウが流れていた箇所だけが
水をはじいているのを見て・・・」

デアくん
「来たーーッ!」

アイちゃん
「それでピンと来たわけですね」

ひらめき先輩
「そうです。溶かしたロウで炭素棒を煮て、
穴の部分をロウで埋めたわけです。
それで世界初の乾電池が誕生したのです。
先蔵さん、24歳のときでした」

アイちゃん
「確か、エジソンがフィラメントに竹を使って
みるきっかけになったのは、研究所に転がって
いた中国土産の扇子だったんですよね?」

ひらめき先輩
「そうです。よく知ってますね」

デアくん
「あっ、いま言おうと思ったのに・・・。
また、いいとこ取りされちゃった」

アイちゃん
「うふふ、お先に失礼しました」

ひらめき先輩
「はい、きょうのお話はここまで。
読者の皆さんも、最後までお読みいただき感謝します」

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