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【誕生秘話】80年以上も前から、あなたと裸の付き合い。

こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。

アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。

ひらめき先輩
「最近、急に寒くなってきましたね」

アイちゃん
「温泉の季節ですね」

デアくん
「あったかいお風呂に入って、
熱燗で一杯なんて最高じゃないですか」

ひらめき先輩
「あったかいお風呂といえば、
きょうは薬用入浴剤の『バスクリン』のお話です」

デアくん
「あっ、そっちですか」

ひらめき先輩
「熱燗の方じゃないですよ、デアくん。
『バスクリン』が発売されたのは1930年。
昭和5年のことです」

アイちゃん
「80年以上前か。『バスクリン』も歴史がありますね」

ひらめき先輩
「入浴剤が製品として生まれるきっかけも、
興味ぶかいですよ。最初から入浴剤を開発
しようとして誕生したわけではないんですね」

アイちゃん
「まだ話は聞いてないけど、
アイデアってひょんな所から生まれるのよね」

ひらめき先輩
「当時、ツムラは婦人薬『中将湯』を発売して
いました」

アイちゃん
「『中将湯』って、飲み薬ですよね」

ひらめき先輩
「そうです。製造する際には、どうしても生薬が
残ってしまい、もったいないから、それを社員が
持ち帰って風呂に入れてみたそうなんです」

デアくん
「そら、来た。アイデアのひらめきの不思議が・・」

ひらめき先輩
「『中将湯』には、16 種類の生薬を配合してあるので、
血行をよくする効果がもともとあるんですね。
だから、お風呂に入れたら身体は温まるし、あせもが
治ったりしたんです」

アイちゃん
「アイデアを探していたわけではないけれど、
発想法で言えば“応用の発想法”ですね」

ひらめき先輩
「この噂が広がり、近所の銭湯の人が『中将湯』を
買いにくるようになったそうです」

デアくん
「そこで、お風呂屋さん向けに入浴剤を作った・・」

アイちゃん
「デアくん、いい感じじゃない」

ひらめき先輩
「その通りです。銭湯向けに『浴剤中将湯』が
発売され、これが入浴剤の始まりとなります。
1897年のことですね」

デアくん
「でも、それって、『バスクリン』じゃないですね」

アイちゃん
「あとで、名前を変えたんじゃない?」

ひらめき先輩
「そうじゃないんですよ。ちゃんと『バスクリン』が
生まれてくる流れがあるんです。『浴剤中将湯』は、
よく温まるのはいいんですが、夏は温まりすぎて、
それが逆に欠点となってしまうわけです」

デアくん
「そうか。温まればいいってわけじゃないんだ」

アイちゃん
「確かに、ね」

ひらめき先輩
「で、夏バージョンとして開発されたのが
『バスクリン』なんです」

デアくん
「必要性から生まれたわけですね」

ひらめき先輩
「1930年の頃は、銭湯を中心に売っていたんです」

アイちゃん
「その頃は、まだ銭湯の時代なんですね」

ひらめき先輩
「そうです。『バスクリン』が家庭でも使われ
始めるのは、昭和30年代の中頃からです」

デアくん
「日本の高度成長の頃か・・」

ひらめき先輩
「日本の暮らしが豊かになりはじめ、マンションの
建築が盛んになった頃からです。みんなが自分の家
を持ち始め、それに伴って内風呂が増えたからなん
です」

アイちゃん
「ヒット商品は、時代背景というか、時代のニーズの
後押しが必ずと言っていいほど関わっていますね」

ひらめき先輩
「はい、きょうのお話はここまで。
読者の皆さんも、最後までお読みいただき感謝します」

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