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【誕生秘話】日本が生んだ世界初のレトルト食品。

こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。

アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。

ひらめき先輩
「二人とも、カレーは好きですか?」

デアくん
「だーい好きです!」

アイちゃん
「あ、きょうはカレーの話ですね」

ひらめき先輩
「そうです。きょうは大塚食品の『ボンカレー』です。
『ボンカレー』は、世界初のレトルト食品なんですよ」

アイちゃん
「そうだったんですか?」

デアくん
「世界初、か。日本の会社って、すごいな」

ひらめき先輩
「当時、カレーは洋食の代表で、ごちそうでした。
カレー粉や缶詰での販売が主流だったんですが、
大塚食品は“何か違ったものを作りたい”と考えて
いたそうです。会社の事情としては、新製品を開発
するきっかけとなったのは、会社にあった不良在庫
のカレー粉をなくすためだったとも言われています」

デアくん
「アイデアって、重大な問題を抱えているときや
ピンチのときに生まれやすいですよね」

アイちゃん
「ある意味、“必要は発明の母”だったわけですね」

ひらめき先輩
「カレーのレトルトパックを思いついたのは、
アメリカのパッケージ専門誌『モダン・パッケージ』に
掲載されていた記事だったんです」

デアくん
「よくありますね、このケースは」

ひらめき先輩
「『US Army Natick』の記事で、缶詰に代わる軍用の
携帯食としてソーセージを真空パックにしたものが
紹介されていたらしいんです」

アイちゃん
「そこで、“ピーンと来た”わけですね」

ひらめき先輩
「そうなんです。その技術を開発すれば、
お湯で温めるだけで食べられるカレーができると」

デアくん
「そこでピーンと来なければ、『ボンカレー』は
生まれなかったかもしれないですね」

ひらめき先輩
「実際、そう簡単にはいかなかったみたいです。
当時はパウチにする包材もレトルト釜もなく、
ゼロからのスタートだったんです」

デアくん
「へぇ、そうだったんだぁ」

ひらめき先輩
「そして、試行錯誤の末、1968年に世界初の
レトルト食品『ボンカレー』を発売することに
なりました。阪神地区限定で・・・」

アイちゃん
「めでたし、めでたし、ですね」

ひらめき先輩
「とは、行かなかったんです。当時のパウチには、
さまざまな問題点がありました。二重構造の半透明型
パウチだったため、光と酸素によって風味が失われ、
賞味期限は冬場3か月、夏場は2か月。振動などの
衝撃に弱く、輸送中に破損することもあったそうです」

デアくん
「簡単にはいかないものですね」

ひらめき先輩
「そこで、包材メーカーと協力して、3層構造のアルミ
パウチを開発したんです。これは、光と酸素を遮断する
アルミ箔を用いたもので、賞味期限も2年間に延ばすこと
ができました。これにより、流通過程での破損の問題も
解決でき、1969年、全国発売となったわけです」

アイちゃん
「話は変わりますけど、『ボンカレー』のボンは、
フランス語の“BON”ですかね?」

ひらめき先輩
「そのようです。フランス語の“BON”と英語の“CURRY”の
組み合わせで、“おいしいカレー”という意味が込められて
いるそうです。ちなみに、独身男性でも温めるだけで簡単に
食べられることから“チョンガーカレー”という案もあったとか。

はい、きょうのお話はここまで。
読者の皆さんも、最後までお読みいただき感謝します」

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