【誕生秘話】発売3年で10億食を超えたお化け商品。
こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。
アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。
アイちゃん
「デアくん、これからお昼?」
デアくん
「そうなんだ」
アイちゃん
「あら、チキンラーメンじゃない」
ひらめき先輩
「じゃ、きょうはその話をしようか?」
アイちゃん
「いいですね、実物もあるし」
デアくん
「お願いしまーす! ズルッズルッ、あちッ!」
ひらめき先輩
「チキンラーメンは、昭和 33 年に
日清食品の創業者・安藤百福さんが発明した、
世界で初めての即席麺です」
アイちゃん
「ということは、54年に渡るロングセラー商品ですね」
デアくん
「どうしてこれを作ろうとしたんでしょうか?
ズルッ、ズルッ・・・」
ひらめき先輩
「それは、安藤さんが終戦直後、大阪・梅田の
闇市でラーメンの屋台に行列ができているのを
見たことが発端らしいよ」
アイちゃん
「そんな昔のことなんですか」
デアくん
「へぇ。ズルッ、ズルッ・・・」
ひらめき先輩
「その光景が忘れられなくて、“もって手軽に
ラーメンを食べられないか” と思って開発に
取り組み始めたそうです。安藤さんの自宅の
敷地内に作業小屋を建てて・・・」
アイちゃん
「開発すると言っても、当時は似たものは
まったくなかったんでしょ?」
デアくん
「ズルッ、ズルッ・・・」
ひらめき先輩
「ないですね。だから大変だったと思いますよ」
アイちゃん
「開発はスムーズに行ったんでしょうか?」
ひらめき先輩
「いや、ずいぶん試行錯誤したらしいです。
いちばん苦労したのは味付けをした麺の
保存方法だったようですね」
デアくん
「ふーん。ズルッ、ズルッ・・・」
アイちゃん
「やっぱり、それを解決するヒントとの出会いが
あったんですか?」
ひらめき先輩
「そうなんですよ。アイデアが生まれるときは、
必ず、知的化学反応がありますね」
デアくん
「うん、うん。ズルッ、ズルッ・・・」
アイちゃん
「つまり、ヒラメキのことですね」
ひらめき先輩
「そうです。そのヒラメキのきっかけは、
奥さんが作っていた天ぷらだったそうです」
アイちゃん
「天ぷら?」
ひらめき先輩
「天ぷらって、素材を油で揚げると、熱で水分が
蒸発してコロモに穴があくじゃないですか。
麺の場合、揚げた麺にお湯を注げば、その穴から
お湯が浸透し元の状態に戻るのではないかと・・・、
それを応用して作れないかと考えたんですね」
アイちゃん
「なるほど」
ひらめき先輩
「で、最後にたどりついたのが、“瞬間湯熱乾燥法”
というものでした。これにより、世界初のインスタント
ラーメンの誕生となったわけです」
アイちゃん
「やったーッ!」
デアくん
「うん、うん。ズルッ、ズルッ・・・」
ひらめき先輩
「最近のことだけど、平成15年に過去最高の
売り上げを記録したんだけど、どうしてか分かる?」
アイちゃん
「えー、どうしてかしら・・・?」
デアくん
「“たまごポケット”を作ったから。
ああ、おいしかった。ごちそうさまでした!」
ひらめき先輩
「デアくん、正解! よく分かりましたね」
アイちゃん
「ええ、そうなのぉ?」
ひらめき先輩
「これもちょっとしたアイデアなんだけど、
麺の中央にたまごを乗せるくぼみを作ったん
ですよねぇ、デアくん?」
デアくん
「ですよねぇ、ひらめき先輩!」
アイちゃん
「なんか、きょうの二人、とても気が合ってる」
ひらめき先輩
「はい、きょうのお話はここまで。
読者の皆さんも、最後までお読みいただき感謝します」