【誕生秘話】きれい好きの男だったら、サッカリンは生まれなかった。
こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。
アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。
ひらめき先輩
「アイちゃん、サッカリンって知ってるかな?」
アイちゃん
「知ってますよ。人工甘味料ですよね」
デアくん
「よく知らないな・・・」
ひらめき先輩
「このサッカリンの誕生にも、面白いエピソード
があるんですよ。」
デアくん
「どこの国の人が発明したんですか?」
ひらめき先輩
「発明というより、発見ですね。アメリカの化学者、
コンスタンティン・ファールバーグという人です」
アイちゃん
「どんなエピソードなんですか?」
ひらめき先輩
「それは1878年のこと。ファールバーグとアイラ・
レムセンが、レムセンの研究室でコールタールの
研究をしていたんです」
デアくん
「コールタール?」
ひらめき先輩
「まあまあ、最後まで聞いてね。実験を終えて、
夜食を食べたんです。ファールバーグは、持っ
てきた愛妻のパンを一口食べたところ、いつに
なく甘く感じたんです。甘いパンでないのにね」
アイちゃん
「へえ、どうしてだろう?」
ひらめき先輩
「で、原因を調べたところ、その日の実験で
作った化合物が甘い味のもとであることが分
かったんです」
デアくん
「えっ。エピソードって、それだけですか?」
ひらめき先輩
「でも、よく考えてごらん。普通だったら実験
なんかしていたら、食事のときぐらい手を洗う
でしょ。でも、ファールバーグという人は仕事
を終えたあと、公共バス乗り場のトイレに行き、
うろついていた犬たちを撫でて、手も洗わずに
戻り、素手でパンを食べたから、その発見につ
ながったんですよ」
アイちゃん
「うわーっ、汚―い!」
デアくん
「僕もたまにあるけど・・(小さい声)」
ひらめき先輩
「ファールバーグがきれい好きで、必ず手を洗
うような人だったら、サッカリンは誕生してい
なかったかもしれないという話です」
アイちゃん
「確かに・・」
デアくん
「これから手を洗うのやめようかな・・(小さい声)」
アイちゃん
「さっきから何をぶつぶつ言ってるの?」
デアくん
「いや、何でもない!」
ひらめき先輩
「はい、きょうの雑談はここまで。
読者の皆さんも、最後までお読みいただき感謝します」