【誕生秘話】クイックルワイパー、元をただせば紙おむつ。
こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。
アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。
ひらめき先輩
「デアくん、クイックルワイパーを使ったこと
ある?」
デアくん
「ありますよ。あれ、便利ですよね」
アイちゃん
「あっ、分かった。きょうはクイックルワイパー
の誕生秘話ですね」
ひらめき先輩
「さすが、アイちゃん、勘がいいね。あの製品の
特徴は、何と言っても不織布シートを使っている
点です」
アイちゃん
「不織布シート?」
ひらめき先輩
「不織布とは、文字どおり織らない布状のものを
意味します。紙やフェルトなどの概念に有機化学
と高分子化学の最先端技術を融合させたまったく
新しい素材、と言っても分からないので、技術的
なことは気にしないいきましょう。ま、ひとこと
で言えば、高い吸水性と肌触りの良さを実現した
新素材です」
デアくん
「それができたから、クイックルワイパーが誕生
したんですね?」
ひらめき先輩
「まあ、そうなんだけど、そうじゃないんですよ」
アイちゃん
「ええ? 分かったような分からないような・・」
デアくん
「分からないような分かったような・・」
ひらめき先輩
「なんて言うか、つまり、クイックルワイパーの
ために不織布は開発されたわけじゃないんです」
アイちゃん
「ええ、どういうことですか?」
ひらめき先輩
「不織布は、主に生理用ナプキンや紙おむつなど、
サニタリー商品に使われていたんです」
デアくん
「それがどうして?」
アイちゃん
「まさか、誰かがそれを使って掃除をしたところ、
すごい発見をしたとか・・」
ひらめき先輩
「それも面白いけど、いやいや、そうじゃないん
です。サニタリー商品の開発員が、高密度に絡み
合った不織布を見て、掃除用具にも転用できるん
じゃないかと考えたそうです」
デアくん
「そうなんだ・・」
ひらめき先輩
「そのアイデアに興味を持ったのが、素材開発研
究所の職員だったんですね。研究を続けた結果、
繊維の絡み方を緩くすれば、髪の毛や埃をからめ
とりやすくなることを発見したんです。そして、
ダスト捕集性とシート強度の両立を実現した複合
不織布の開発に成功したわけです」
アイちゃん
「社内における他部門との連携プレイですね」
デアくん
「野球で言うと、ヒット・エンド・ランかな」
アイちゃん
「サニタリー商品の素材を掃除用品の素材として
使ったわけですから、アイデア転用の見事な例と
言えますね」
デアくん
「サッカーで言うと、えーと、えーと・・」
ひらめき先輩
「はい、きょうの雑談はここまで。
読者の皆さんも、最後までお読みいただき感謝します」