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【誕生秘話】不良在庫が生んだ「ぬか漬け名人」の秘話。

こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。

アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。

ひらめき先輩
「アイちゃんは漬物、好き?」

アイちゃん
「好きですよ」

デアくん
「僕も・・・」

ひらめき先輩
「自分で漬けたことある?」

アイちゃん
「ないですよ。うちの母は漬けてましたけど」

デアくん
「ぬかみそって、臭いんでしょ?」

ひらめき先輩
「ぬか床は、確かにそういうイメージあるよね。
もし臭わないぬか床があったら、漬けてみたい?」

デアくん
「漬けてみたい!」

アイちゃん
「デアくんったら、調子よすぎない?」

ひらめき先輩
「アイちゃんは?」

アイちゃん
「だって、そんなぬか床あるわけないし・・」

ひらめき先輩
「それが、あるんですよ」

デアくん
「ほらね!」

アイちゃん
「デアくんったら、知らないくせに!」

ひらめき先輩
「『ぬか漬け名人』という商品で、臭い漏れを防ぎ、
かき混ぜる手間も軽減した優れものだそうです」

アイちゃん
「へぇ、そういうものがあるんだ。それなら、
やってみてもいいですね」

デアくん
「でも、よくそういう商品を開発できましたね」

ひらめき先輩
「やはり、そう簡単にはできなかったそうです。
これも、ピンチをチャンスに変えたケースでも
あるんです」

アイちゃん
「そら来た!」

デアくん
「面白くなりそうですね」

ひらめき先輩
「開発したのは滋賀県長浜市の樹脂製品加工メー
カー、株式会社ヒョーシンの社長、田中兵衛さん
です。きっかけは、なんと素材のご発注だったん
です」

アイちゃん
「ご発注?」

ひらめき先輩
「そうらしいです。文具の展示ケースのパイプの
サイズがわずかに異なっていたことから、つくり
直すことになり、そのため50個ほど不良在庫と
なったんです。でも、この道50年の田中さんは、
ただでは転ばなかったんですね」

アイちゃん
「ここからですよね、面白くなるのは」

デアくん
「待ってました!」

ひらめき先輩
「ケースの高さは20センチほど。何かに使えない
かと考えていた田中さんは、あるとき、これを漬物
に使ってみようと思ったんですね。自分でも漬けて
いたので、普段から“もっと簡単に付けられる方法
はないか”と考えていたそうです」

アイちゃん
「やはり何かのきっかけがないと、漬物という発想
は出ないかも」

ひらめき先輩
「まず、ぬか床をかき混ぜる手間を省く工夫を考え
たけど、うまくいかなかったんですね。アイデアに
行き詰り、上ぶたをしたまま1週間ほどぬか床を放っ
ておいたそうなんですが、容器を開けると意外にも
ぬか床は健全で、腐敗臭もしなかった。それをきっ
かけに、水分調整のための穴とか、重し用の筒とか
の改良が始まったんです。その後、約2年で完成し
たそうです」

アイちゃん
「不良在庫がなかったら、この商品は生まれなかっ
たかもしれないと思うと、アイデアの誕生って、
本当に面白いものがありますね」

デアくん
「やっぱり、普通のときよりピンチのときのほうが
アイデアは生まれやすいのかな」

アイちゃん
「人間って、切羽詰まらないと真剣にならないし、
アイデアにとってはピンチはチャンスなのかもね」

ひらめき先輩
「はい、きょうの雑談はここまで。
読者の皆さんも、最後までお読みいただき感謝します」

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