【誕生秘話】逆転の発想で大成功したカップヌードルの秘策。
こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。
アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。
アイちゃん
「あっ、ひらめき先輩、これからランチですか?」
ひらめき先輩
「そうだよ」
デアくん
「それ、カップヌードルですか?」
ひらめき先輩
「そう!」
アイちゃん
「きょうの話は、それですね?」
デアくん
「道理で、変だと思った。一人でカップ麺を食べるなんて・・」
ひらめき先輩
「アイちゃん、鋭いね。きょうは、カップヌードルが
いかにして米国で成功を収めたかという話をしようかと思って」
アイちゃん
「でも、面白そうなエピソードはあるんですか?」
デアくん
「順調に成功したって感じだよね」
ひらめき先輩
「それが、そうじゃないんですよ。いまでこそ、
アメリカのどこのスーパーマーケットでも普通に買える
定番商品となっているらしいけど、最初は苦戦したようですよ」
アイちゃん
「そうなんですか。どんな状況だったんですか?」
デアくん
「食べながらでいいですよ、ひらめき先輩」
ひらめき先輩
「あっ、ありがとう。じゃ、食べながら話をするね。
当時のアメリカでは、まだ『インスタントラーメン』という
概念が消費者にはなかったので、この商品を何と説明して
販売すればよいかと日清食品は悩んでいたらしいんですよ。
そこで、日清食品は市場調査を行ったそうです」
アイちゃん
「そしたら?」
デアくん
「ひらめき先輩、伸びちゃいますよ!」
ひらめき先輩
「あっ、いけない!(あわてて、フタを取る)あちっ!
そしたら・・あちっちち・・」
アイちゃん
「ゆっくりでいいですよ」
デアくん
「話はゆっくり、麺は急いだほうがいいですよ」
ひらめき先輩
「ハハハ、二人とも気をつかってくれてありがとう。
(ズルズルッ、あちっ!)
そしたら、アメリカではカップヌードルを『スープ』として
売り出すほうがいいと分かったんだね。それで、ラーメンではなく
『具だくさんのインスタントスープ』として宣伝やプロモーションを
打ち出したんです」
アイちゃん
「具だくさんのインスタントスープ?」
デアくん
「どうしてなんですか?」
ひらめき先輩
「なぜスープとして販売したのかというと、これは、
商品のポジショニングに関わることなんだけど、
主食の座をいきなりハンバーガーやピザから奪い取るのは
難しいという結果が出たためなんですよ」
アイちゃん
「そうか。最初は、ハンバーガーやピザに取って代わる
ものとして考えていたんですね?」
ひらめき先輩
「そうなんです。でも、調査してみて、これまで
食べたこともない麺が、すでに定着しているファストフードや
ジャンクフードに取って代わるのには時間がかかりそうだ
ということが分かったんでしょうね」
デアくん
「で、スープのひとつに食い込もうとしたわけか?」
ひらめき先輩
「そうなんです。これも調査で分かったことなんですが、
平均的なアメリカ人は、ランチやディナーの際にスープを
一緒に食べることが多いんですね。しかも食べる量が多いから、
たとえば、ホットドッグとカップヌードルを一緒に食べても
量が多すぎることはないんですね」
アイちゃん
「そう言えば、アメリカの人って、すごく食べますよね。
身体も大きいし・・」
デアくん
「主食の座を争うことを避けるために、あえてスープと位置づけた。
これって、逆転の発想ですよね」
ひらめき先輩
「そうです、逆転の発想の成功例です。しかも、スープという
位置づけなので、麺の長さも短くなっているし、具の量も抑え、
価格もかなり抑え目にしてあるようです」
アイちゃん
「その甲斐あって、いまや世界のカップヌードルですね」
デアくん
「もっと簡単に世界に広まったのかと思ってたけど、
食習慣の違う国で成功するのは大変なんだなぁ」
ひらめき先輩
「はい、きょうの雑談はここまで。
読者の皆さんも、最後までお読みいただき感謝します」