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【誕生秘話】ピンチをアイデアで乗り切ったホームラン商品。

こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。

アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。

ひらめき先輩
「さて、きょうは、楽しさというアイデアが
アイスクリームのヒット商品を生んだという話です」

アイちゃん
「聞くだけで、おいしそう」

デアくん
「試食品はないのかな?」

ひらめき先輩
「ありましぇーん!! 残念でした。
そのアイスクリームの名は、ホームランバーです」

デアくん
「あ、食べたことある。四角いバーのアイスでしょ」

アイちゃん
「当たりがでると、
もう一本もらえるんじゃなかったかしら?」

ひらめき先輩
「そうそう、1960年に協同乳業から発売された、
当たりくじ付きのアイスクリームバーです。
じつは、これが世に出る前に、これの前身である
アイスクリームバーが1955年に発売されました」

デアくん
「もっと前からアイスクリームバーはあったんだ」

ひらめき先輩
「発売後はよく売れたんだけど、1、2年すると、
類似商品も出てきて売り上げが減ってきたんです」

アイちゃん
「そこで、対策を練ることになったんですね」

ひらめき先輩
「社内では、四角い形状が食べにくいんじゃないかとか、
増量したらどうかなど、数多くの意見が出たらしい」

デアくん
「増量作戦ね」

ひらめき先輩
「当時、営業課長をしていた森三郎という方が、
増量という案には猛反対したそうです。森さんは、
アイスクリームバーは子どもから大人まで楽しめる
庶民の商品で、増量という安易な方策ではなく、
商品コンセプトの“楽しさの追求”をいちばんに
考えるべきだと感じていたようです」

アイちゃん
「増量作戦は一時的に効果があるかもしれないけど、
すぐに真似されるし、価格競争のように泥沼化しそう
ですね」

ひらめき先輩
「1960年当時は、子どもから大人まで楽しめる娯楽
といえばプロレスとプロ野球で、そこで、森さんは、
アイスクリームとホームランを結び付けて、当たりくじ
付きというアイデアを思いついたということです」

デアくん
「スティックにくじが付いているから、食べてみるまで
何が出てくるか分からない、というワクワク感がいいよね」

ひらめき先輩
「スティックの焼き印は、ある乳製品メーカーが
スティックに広告の焼き印を入れているということを
知って、そうしたそうです」

アイちゃん
「どんな当たりがあったんですか、その頃は?」

ひらめき先輩
「満塁ホームラン、ホームラン、ヒットがあって、
満塁ホームランが出ると、野球盤などの景品が当たり、
ホームランはホームランバーが1本無料に、
ヒットには1塁打・2塁打・3塁打があり、
4塁打集めるとホームランバーが1本無料になる
内容だったそうです」

デアくん
「面白いアイデアだなぁ。いまでも十分使えますね」

ひらめき先輩
「今年で52周年となる超ロングセラー商品の
エピソードでした。はい、きょうのお話はここまで。
読者の皆さんも、最後までお読みいただき感謝します」

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