知ってしまえば何でもないのがアイデア。
こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。
アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談を
しています。
デアくん
「ひらめき先輩。きょうのタイトル、なかなかいいところを
ついてますね。アイデアって、知ってしまうと簡単に思え
るけど、自分ではなかなか思いつかないんですよね」
ひらめき先輩
「デアくんも、そう思う?」
アイちゃん
「そうそう。着眼点というか、それを知ってしまうと、何で
もないような簡単さを感じるのよね」
ひらめき先輩
「アイデアって、そういうものなんだね。逆に、人が理解で
きないようなアイデアなんて意味がないと言えるかもね。
もっとも、理解不可能なアイデアなんて考えるのも不可能
だけど」
アイちゃん
「そうですよね。理解できるから、その良さも分かるんで
すものね。ところで、商品企画などで、簡単にアイデアを
考えられる方法って、ないですかね?」
ひらめき先輩
「ないことはない、かな」
デアくん
「えっ、あるんですか?」
ひらめき先輩
「ひとつのアイデア商品から、別の商品の企画をすると
いう手もあるんだよ」
アイちゃん
「どういうことですか?」
ひらめき先輩
「たとえば、i-Pot(アイポット)」
デアくん
「アイポット? アイロボットなら知ってますけど」
アイちゃん
「確か、一人暮らしのお年寄りの安否が分かるポットでし
たっけ?」
ひらめき先輩
「そうです。お年寄りが電気ポットを使うと、その使用状況
が指定されたアドレスにメールで届き、さらに過去1週間
分の様子が専用のウェブページで確認できるようになって
いる電気ポットですね」
デアくん
「すごい! まさにアイデア商品だ」
ひらめき先輩
「この商品は、無線通信機と電気ポットを組み合わせたも
のだから、無線通信機をベースにほかに応用はできない
かと考えることもできるよね」
アイちゃん
「なるほど」
ひらめき先輩
「ただし、何でもいいわけじゃない。この場合、毎日使うも
のが条件となるよね」
デアくん
「そうか。じゃ、茶碗とか、箸とか、湯呑とか・・・」
アイちゃん
「それって、みんな食事に関わるものばかりじゃない」
デアくん
「じゃ、アイちゃんも、なんかアイデア出してよ」
アイちゃん
「えーと、例えば、テレビとか、お風呂とか、トイレとか・・・」
ひらめき先輩
「そうだね。トイレ関連はいいかも。トイレのドアや便器と
通信機能の組み合わせもありえるよね。ちなみに、この
製品は、息子さんを看護していたお母さんが突然亡くなり、
病気で動けなかった息子さんも1カ月後に遺体となって
見つかったという痛ましい事件が契機となって研究開発
が始まったそうです」
アイちゃん
「へえ、そうなんですか。まさに、愛ポットですね」
ひらめき先輩
「はい、きょうの雑談はここまで。
読者の皆さんも、最後までお読みいただき感謝します」