アイデアマンになるまえに、模倣の達人になれ。
こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。
アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談を
しています。
ひらめき先輩
「デアくんは、モノマネがうまい?」
デアくん
「うまいというか、好きですよ。ひとつ、やってみましょうか」
アイちゃん
「やって、やって! 何やるの?」
デアくん
「福山雅治のモノマネ!」
アイちゃん
「やっぱ、いいわ!」
デアくん
「なんだよ、それ! ひどいな!」
ひらめき先輩
「まあまあ、二人とも落ち着いて。そっちのモノマネじゃ
なくて、アイデアのモノマネのこと」
アイちゃん
「アイデアのモノマネ?」
デアくん
「・・・・・・・?」
ひらめき先輩
「そう。アイデアを考えるのに、とてもいい方法なんです。
ジャンルは違っても、自分が求めているアイデアの考え
方に近い事例を探してみると、そこにヒラメキのヒントが
隠されている場合があるんです。これは僕もよくやるん
ですけど、難しくないからやってみるといいです」
アイちゃん
「へぇ、そういう方法があったんですか」
デアくん
「実際、どういうふうにやるんですか?」
ひらめき先輩
「たとえば、ある事例を見つけたときに、どんな要素を
組み合わせて作られているのかを探るんです。ほら、
アイデアって、既存の要素どうしの組み合わせでしょ。
それは技術の組み合わせかもしれないし、サービスの
組み合わせかもしれない。その組み合わせに意外性
があるほど、斬新な新製品となるわけです」
アイちゃん・デアくん
「なーるほどぉ・・・」
ひらめき先輩
「アップルの創業者のスティーブ・ジョブ氏も、“素晴らし
いアイデアを盗むことに、我々は恥を感じてこなかった”
と言ってます」
アイちゃん
「へぇ、そうなんだ。あんなに独創的な製品ばかりつくって
いるのに・・・」
デアくん
「アップルが真似をされてるんじゃないの?」
ひらめき先輩
「マッキントッシュというパソコンがあるでしょ。グラフィカル・
ユーザー・インタフェース(GUI)とマウス操作を実現したもの
だけど、実は、GUIやマウス自体は他の企業で開発された
もので、アップルが創ったわけじゃないんですよ」
アイちゃん・デアくん
「ええ! そうなんですかぁ!」
ひらめき先輩
「ハハハ・・・。いま、ハモったね。アップルは既存の技術を
新しいコンビネーションで結びつけるのが上手な企業で、
“アセンブリー・イミテーションの達人”と評されているくら
いです」
アイちゃん
「そうだったんだ!」
デアくん
「じゃ、これからは遠慮なく盗もっと!」
アイちゃん
「盗むだけじゃダメなんだからね。分かってるの?」
デアくん
「分かってますよーだ! お袋みたいだな、まるで」
ひらめき先輩
「はい、きょうの雑談はここまで。
読者の皆さんも、最後までお読みいただき感謝します」