お寺にある木魚は、なぜ魚なんだろう?
こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。
アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。
ひらめき先輩
「ねぇ、デアくん、これできる?
(舌でポクポクと音を立て、何かを言っている様子)
あれ、うまくできないな・・」
デアくん
「・・・・・・・?」
アイちゃん
「ひ、ひらめき先輩、何してるんですか?」
ひらめき先輩
「いやいや。(ポクポク・・カンジーザイボー・・・)
おかしいな。昔、できたんだけどな」
アイちゃん
「・・・・・・・?」
ひらめき先輩
「いや、これね。まず、舌を使って木魚のように
ポクポクポクと音を出しながら、同時に、
カンジーザイボーサーと般若心経を唱えるんだけど、
おかしいな、昔、できたんだけどな・・」
アイちゃん
「木魚の音を出しながらお経を読むんですか?」
デアくん
「そんなこと、本当にできるんですか?」
ひらめき先輩
「それができるんだよ。(ポクポク・・カンジー・・)
あれーぇ、昔できたんだけどな。おかしいな、
(ポクポク・・カンジー・・)」
アイちゃん
「ふふふ、ひらめき先輩って、けっこうお茶目なん
ですね」
デアくん
「なんか、見てはいけない一面を見てしまった感じ」
ひらめき先輩
「おいおい、そんな変かな? だって、木魚の音と
お経の声が同時に聞こえるんだよ。すごいと思わない?」
アイちゃん
「分かりましたよ、ひらめき先輩。で、きょうは
どんな話をしてくれるんですか?」
デアくん
「あっ、お経の話だ」
ひらめき先輩
「惜しいっ!」
アイちゃん
「じゃ、木魚なんですか?」
ひらめき先輩
「当ったりーっ! きょうは木魚の話です。
あの丸い楽器のようなものが、実は、魚の形を
しているのを知ってた?」
アイちゃん
「あまりちゃんと見たことがないけど、
なんか丸い形をしてますよね」
デアくん
「でっかい鈴のような形・・」
ひらめき先輩
「木魚には、修行中に眠らないようにという戒め
の意味があるらしいのね。ほら、魚って、眠ってる
ときでも目を開いてるじゃない?」
アイちゃん
「確かに・・」
デアくん
「じゃ、目を開いて眠ればいいのかな?」
アイちゃん
「やれるんなら、やってみな」
ひらめき先輩
「でね。木魚って、もともとは魚の形をした木の板で、
それを叩いて時刻を告げるものとして使っていたらしい
んだけど、それが現在のような立体的な形になり、
読経のときに使われるようになったそうです」
アイちゃん
「修業中は眠ってはいけないという戒め、か。
デアくんにプレゼントしてあげようかな」
デアくん
「な、何、言ってんだよ」
ひらめき先輩
「さっきの話に戻るけど、あれをちゃんとできる人が
昔、テレビに出ていたんですよ。あれを観たときは、
腹話術のいっこく堂さんの芸を初めて見たときと
同じような衝撃だった。すぐに真似してみたんだけど、
できるわけないよね。ポクポクと音を出すまでは
できるんだけど、お経を唱えるとなると舌はもつれ、
頭は混乱し、お経まで言えなくなってしまう。
でも、できる人がいるということは、自分にも
できるはずだと思って、毎日、練習をしていたら、
完全とは言えなくても、木魚の音とお経が同時に
出せるようになったんですよ」
アイちゃん
「なるほどね。人ができることは、自分にもできる
可能性はあるってことですよね」
デアくん
「うーん。そういう考え方と努力は偉いな・・」
アイちゃん
「デアくんもやってみる?」
デアくん
「(ポクポク・・カン)あれぇ・・(ポクポク・・カン)
あれぇ・・(ポクポク・・)(カンジーザ・・)
あれ、おっかしいなぁ・・(ポクポク・・カン)」
アイちゃん
「その調子、その調子。ずっとやってなさい!」
ひらめき先輩
「はい、きょうの雑談はここまで。
読者の皆さんも、最後までお読みいただき感謝します」