十一面観音のうしろの顔って、どんな顔?
こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。
アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。
ひらめき先輩
「きょうは、十一面観音の話をしようと思いますが、
十一面観音と聞いて、怪人二十面相を思い浮かべるのは、
僕くらいでしょうか」
アイちゃん
「怪人二十面相?」
デアくん
「オペラ座の怪人なら知ってるけど・・」
ひらめき先輩
「そうだよね、かなり昔のものだから。怪人二十面相は、
江戸川乱歩原作の『少年探偵団シリーズ』に登場した
大怪盗です。『少年倶楽部』に初めて連載されたのが、
1936年。そのシリーズ第一作目のタイトルが、
怪人二十面相なんです。それ以降、26年に渡って
描かれたのですから、人気の凄さがうかがえますね」
アイちゃん
「26年ですか?」
デアくん
「いまじゃ考えられないな」
ひらめき先輩
「小説の原作は、ラジオドラマや映画などにもなりました。
僕が特に覚えているのは、映画の中の怪人二十面相です」
アイちゃん
「ラジオドラマね。当時は、そういうメディアがふつう
だったんですね」
デアくん
「一度、ラジオドラマとやらを聞いてみたいね」
ひらめき先輩
「乱歩は当初、名前を怪盗ルパンのように『怪盗二十面相』に
するつもりだったようですが、子供向けの本だったので、
『盗む』という字を使うのはよくないと編集部からクレームを
つけられ『怪人二十面相』に変えたそうです」
アイちゃん
「当時は、そのくらいのことでクレームがついたんですか?」
デアくん
「厳しいーっ!」
ひらめき先輩
「ちなみに、この怪人二十面相、のちに怪奇四十面相と
名前を変えているのですが、これをご存じの方は、
まさに雑学の怪人ですね。さて、十一面観音のうしろの顔。
二人は、見たことがありますか?」
アイちゃん
「いいえ、十一面観音も見たことないです」
デアくん
「僕も・・」
ひらめき先輩
「十一面観音とは、本体の顔以外に頭上に11の顔を持つ
菩薩のことです。唐の玄奘が訳した『十一面神咒心経』に
よると、十一面観音像は向かって左を向いていて、手首に
数珠をつけた右手は膝前で与願印を表わし、左手は紅蓮華
をさした水瓶を持っています」
アイちゃん
「写真で見たことはあるかも・・」
デアくん
「うん、僕も、たぶん・・」
ひらめき先輩
「で、頭上にある十一面がどうなっているのかと言うと、
頂上部の一面は仏面(ぶつめん)、
前の三面は菩薩面(ぼさつめん)、
向かって右三面は瞋怒面(しんぬめん)、
向かって左三面は狗牙上出面(くげじょうしゅつめん)
となっているんですよ。
そして、後ろの一面は大笑面(だいしょうめん)、
つまり大笑いしている顔なんです」
アイちゃん
「大笑いしている顔?」
デアくん
「意味があるのかな?」
ひらめき先輩
「笑っているけど、悪を威圧する顔なんだそうです。
はい、きょうの雑談はここまで。読者の皆さんも、
最後までお読みいただき感謝します」