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なぜ、サケは生まれた川に戻ってこられるのか?

こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。

アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。

ひらめき先輩
「きょうは怖い話から始めるけど、驚かないでね」

アイちゃん
「怖い話って、何ですか?」

ひらめき先輩
「あれは、ロサンゼルスのアパートにいたときのこと。
隣の部屋には、ガーデナー(庭師)をしていた
日系一世のおじいさんが一人で暮らしていたんです。
ある日のこと。おじいさんの部屋の前で、アパートの
管理人であり友人でもあるKさんに会ったんです。 
『どうしたの?』
『うん。珍しく家賃の支払いが遅れてるんだよ』
ドアの下には、新聞がたまっていました」

アイちゃん
「なんか、怖くなってきた・・」

デアくん
「うん、問題はこれからだね」

ひらめき先輩
「『どこか旅行にでも行ってるのかな?』とKさん。
『いや、いるはずだよ』と私。というのは、今朝も
私の隣の部屋で水道を使う音が聞こえていたからです。
『鍵を開けて部屋に入るから、一応、立ち会ってくれる?』
『いいよ』」

アイちゃん
「うわーっ、何が起こるのかしら?」

デアくん
「手に汗が・・・」

ひらめき先輩
「ドアを開けると、薄暗い部屋の中央にベッドがあり、
ベッドに沿った形で床の上におじいさんがうつ伏せに
なっていました。中へ入った途端、よどんだ空気に
混じって玉葱のような目にしみる刺激とニオイを感じた
んです。『ガス漏れかな?』と思い、あわてて窓を
開けにいきました」

アイちゃん
「ガス中毒?」

デアくん
「死んでた?」

ひらめき先輩
「ま、そうあわてないで。徐々に話すからね。
警察に知らせると、その夜、ロス警察の刑事がやってきて、
いろいろと問いただされました。驚いたのは刑事の服装。
とてもおしゃれで、やはりアメリカの刑事は違うななんて
質問に答えながらそんなことを考えていました。
後日、新聞によると、おじいさんは病死で、死後一週間
ほど経っていたそうです。あの刺激臭は、亡くなった
おじいさんの身体から出ていたニオイでした」

アイちゃん
「死後一週間か・・」

デアくん
「死体のニオイね・・」

ひらめき先輩
「あとで分かったんだけど、水道の音は二階の住人の
音だったんですよ。二階で使っても水が下から上がって
いくので、一階で使っているように聞こえたんです。
さてさて、きょうは、産卵のために自分の生まれた川に
戻ってくるサケの話です」

アイちゃん
「死体のニオイの話かと思ったら、サケの話ですか?」

デアくん
「お酒のサケじゃないですよね?」

ひらめき先輩
「ハハハ、違います。そっちのほうがいい匂いだけど。
どうしてサケは自分の故郷の川が分かるんでしょうか、
というのがきょうの問題です」

アイちゃん
「また問題ですか?」

デアくん
「記憶力がいいから!」

ひらめき先輩
「うーん、惜しい。どんな記憶力?」

デアくん
「えーと、川の中の景色をちゃんと憶えてる」

アイちゃん
「あっ、分かった。ニオイでしょ?」

ひらめき先輩
「ピンポーン! サケは自分の自分の生まれた川のニオイを
記憶しているから、ちゃんと戻れるんだそうです」

アイちゃん
「当たっちゃった!」

デアくん
「どうして分かったの?」

アイちゃん
「だって、その前にニオイの話をしてたから」

デアくん
「そうか・・・」

ひらめき先輩
「この性質は標識放流という実験で確認されていて、
目隠しをしても生まれ故郷の川を探り当てるそうですが、
鼻に栓をすると迷ってしまい戻れないんだって。
ちなみに、ある川で生まれたサケの卵を別の川で
育てた場合、育った方の川に戻ってくるそうですよ。
すごい嗅覚の達人、いや、達魚ですよね」

アイちゃん
「ほんとに、すごい記憶力ですね」

デアくん
「さっきサケの焼き魚定食を食べたんだけどなぁ、残念」

ひらめき先輩
「はい、きょうの雑談はここまで。読者の皆さんも、
最後までお読みいただき感謝します」

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