ちょうちん型のブルマーを考案した人は、だれ?
こんにちは、アイデアマン養成コーチの寺ちゃんです。
アイデアマン養成所の喫茶室で、ひらめき先輩、
新入社員のアイちゃん、デアくんの三人が雑談をしています。
ひらめき先輩
「女子の体操着って、いまはハーフパンツが一般的だけど、
僕が小学生だった頃の女子の体操着といえば、
いわゆる、ちょうちん型のブルマーでした」
アイちゃん
「本当にブルマーって、あったんですね」
デアくん
「見たことないな」
ひらめき先輩
「ブルマーは、明治後期に体育研究の留学生、
井口阿くりという方によって日本にもたらされたんですね。
当時は袴にゴムを通したものだったそうですが、
次第に改良され、丈が膝まで短くなり、ウエストと裾にゴムが入った
『ちょうちんブルマー』になったとか」
アイちゃん
「袴にゴムを通したもの?」
デアくん
「明治後期だもんね」
ひらめき先輩
「このちょうちんブルマーは日本で女子教育が始まったとき、
運動着として採用されました。
大正時代から昭和にかけて一世を風靡しますが、
ある歴史的イベントをきっかけに終わりを告げます。
それは何だと思いますか?」
アイちゃん
「歴史的イベント?」
デアくん
「誰でも知ってるイベントですか?」
ひらめき先輩
「そうですよ。4年に1回行われます」
アイちゃん
「オリンピック、ですか?」
デアくん
「それだ!」
ひらめき先輩
「そうです。東京オリンピックです」
アイちゃん
「でも、何の種目かしら?」
デアくん
「水泳じゃないし、レスリングでもないし・・」
ひらめき先輩
「女子バレーボールです。
そのときのユニフォームとして採用されたのが、
ちょうちん型のブルマーではなく、
合成繊維でつくられたぴったりタイプのブルマーでした。
アメリカのバレーボールチームが、伸縮性のある素材で
体に密着するショーツ型のブルマーを着ていたのを見て、
身軽で動きやすいことを知り、日本でも採用することになったとか」
アイちゃん
「女子バレーボールのユニフォームね」
デアくん
「なるほど・・」
ひらめき先輩
「『東洋の魔女』と異名を誇る彼女たちが履いているブルマーだから、
人気が出ないわけがないですよね。
これが日本中の学校で大流行し、
それまでのちょうちん型は次第に姿を消していくことになります。
さて本題に入りますが、このブルマーを考案した人は誰でしょう、
と言っても分からないと思うから言っちゃいますね」
デアくん
「ブルマーさん、なんちゃって」
ひらめき先輩
「近い!」
アイちゃん
「えっ、近いんですか?」
デアくん
「まさか?」
ひらめき先輩
「アメリカのジャーナリスト兼女性解放運動家
アメリア・ジェンクス・ブルーマー女史です。
1850年頃のこと。
彼女は長いスカートは女性の活発な活動を阻害するのものとして、
女性の服装の改革を提唱していました。
それに応えるかたちで、エリザベス・スミス・ミラー女史が、
トルコのハレムパンツをヒントにデザインしたものが、
ちょうちん型のブルマーだったんです」
アイちゃん
「ブルーマー女史。惜しかったね、デアくん」
デアくん
「言ってみるものだね」
ひらめき先輩
「ブルーマー女史は、このブルマーを女性解放運動のシンボルとして、
全米に普及させていったんです。当時の社会の価値観では、
とても下品なものとして捉えられていたんですが、
上流階級の間で水泳やサイクリングなどの野外スポーツが流行するにつれ、
その機能性の良さが認められ定着していったそうです」
アイちゃん
「昔は少しでも肌を出すと、下品と思われたんでしょうね」
デアくん
「上流階級の人たちが使い始めたのが、よかったんだね」
ひらめき先輩
「はい。きょうはこの辺でお開きとしましょうか。
次回の雑学をお楽しみに」